バフェットからの手紙ってどんな本?

バフェットが書いた唯一の書物

バフェットからの手紙はウォーレン・バフェットが書いた唯一の書物です。(厳密にはバフェットが書いた書類をローレンスAカニンガムが編集したもの)

世の中にはバフェットについて他の人が書いた本は多いですが、バフェット自身が書いた書類はこのバフェットからの手紙だけです。

ちなみに私が持っているのは4版(2016年発行)です。

世界一の投資家の思考力にビビる

私は読書家なので今まで様々な本を読んできました。読む速さも速いし、読解力も普通の人より高い自負があります。そんな私でもバフェットからの手紙は別格でした。

ある程度本を読んでくると、ほとんどの本って

  1. 過去に読んだことがある話、そのアレンジ程度の内容、目新しさがほぼない
  2. 全く新しいコンセプトで一種の感動を覚える(※ただし、新しいからといってそのコンセプトが優秀とは限らない)
  3. あまりに難しくて理解できない(相対性理論など)

の3つに分類されます。そしてほとんどが1つ目の本になります。2の本に出会えたときは「当たりだ」と満足感を得ますが、そう思う本は滅多にありません。月何冊か買っても年間で5冊ないでしょう。

バフェットの本は上の3つに当てはまりませんでした。バフェットからの手紙は書いてあるテーマは既に聞いたことあるものですが、そのテーマを誰よりも深掘りした先に、物事の本質が見える本です。(ノウハウを教える本ではありません。思慮深くなる本です。)

深掘りしまくりなので当然理解できないこともあります。ただ、わからないなりにわかるのです。「この人はめっちゃくちゃ考えてる」と。そして引き込まれます「この人には敵わない」と。

例えば金と株、どっちを買うべきかという内容がバフェットからの手紙に書かれているのですが、感動しました。そして曖昧な点はなくなります。納得しますよ、そりゃ株を買うよなと。

何度も読みましょう。読めば読むほど思考が深く、そしてクリアになるはずです。こんな本は滅多にありません。10年で1回会えるかどうかのレベルの良書です。

良心という1つの筋が通る書物

バフェットは本の中で様々な批判をします。ストックオプションを乱発する経営陣を批判します。株の買い替えを促すブローカーを批判します。そしてアメリカ経済が少しずつ蝕まれているのに危機意識を持たなアメリカ人も批判します。株主の中にも批判される人がいます。

彼らは株主の利益を損ない、そこから自分の利益を盗んでいるのです。にもかかわらず自分の暴挙を正当化していることを思慮深く批判します。また自分の失敗もちゃんと報告し、そして失敗に対してもバフェットなりに思慮深く深掘りしています。

バフェットの株主の利益を守るという良心がひしひしと伝わってきます。(この本を読めばバフェットのことが好きになると思います。)

投資がしたいなら必読です

1回読んだだけで理解できるはずがありません。また読んでも理解できない部分も多いでしょう。

でもとにかく読み切ってください。そしてたまにまた読み返してください。

間違いなく投資家としての思考が、それも他者と比べ物にならない思考が身につくはずです。